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マイジャーナル / 2005年7月〜9月 Summer Live |
「窓辺に 散りゆく 並木の 枯葉よ…♪」このところ朝晩少しずつ涼しくなってきましたが、皆様にこの記事を読んでいただく頃には、冒頭の歌詞のような光景をあちこちで見かけるでしょう。うだるような暑さの後には楽しみですね。それにしてもこの夏は、水たまりにでも飛び込みたくなるほど、我慢のできない蒸し暑さの日もありました。野外イベントで、大きなライトを目の前に歌うことを想像してみて下さい。まるで自分がホット・タマーリになっているかのようです…ふぅ!【注:タマーリとは、ひき肉をトルティーヤ包み、さらにトウモロコシの皮にくるんで蒸すメキシコ料理のこと】
そんな暑さの中でも、どうして精力的に活動できるのかって?もちろん、客席を前にしたらそんなことは忘れてしまうからです。会場の大きさには関係なく、メンバーと心をひとつにして、音に集中します。音楽は私たちのエネルギーを高め、刺激をくれます。ノリがキマればなおさらですよね。そうやって最高の力を出すことができるのです。
この夏は、刺激的で貴重な体験がたくさんありました。まず1つめは7月10日。愛・地球博EXPOドームで行われた、『愛と平和のコンサート』です。午後1時に始まり、多くのグループが出演。私は、ジャズラブオーケストラとともにファイナルステージを務めました。愛と平和をテーマに、フィナーレでは出演者全員が1つになってWe Are the Worldを熱唱。まさに世界の明るい未来を願うメッセージをお届けできたのではないでしょうか。
愛・地球博は、世界中の人々がひとつになって、人類が経験するかもしれない様々な環境問題を考える機会を与えてくれました。人類と自然が共存できる未来のために、世界中から優秀な人材を集めて、その模範になる社会を示したのです。こんなふうに地球を見つめ直すためのインターナショナルな催しに参加できたことを大変光栄に思います。愛・地球博は終わってしまいましたが、21世紀、改めて日本をリサイクル重視の社会へ転換させることに挑むという人々の決意と、新たな関心を呼び起こしたようです。
そして、この夏最大のイベントのひとつ、東京JAZZ2005のプロモーションのため、NHKの午後の番組『スタジオパークからこんにちは』に出演しました。ピアノの大石学、ベースの井上陽介、ドラムのセシル・モンロー、そしてサックスには藤陵雅裕を迎えた演奏でした。他にもTKYや山中千尋トリオが出演し、短かったけれど充実した45分間を楽しく過ごしました。このようなライブパフォーマンスをお届けできるテレビ番組がもっとたくさんあればいいのに!才能に満ち溢れたミュージシャンはまだ大勢います。できるだけ多くの方々に聴いていただきたいですからね。
翌日は、お台場にあるトヨタMEGA WEBでの演奏です。ここはただのショールームではなく、最新テクノロジーを体感できる一大アミューズメントスポットです。レース・シミュレーター、3Dジェットコースターなどのヴァーチャル・マシンや、世界中のレーシング・カーやさまざまなヒストリック・カーの展示コーナーもあります。この日はそれらの自動車に囲まれたMEGAステージで歌いました。ステージ上のスクリーンにはライブの模様が映し出され、多くのお客様に楽しんでいただきました。素晴らしい体験でした!
1990年以来、毎年この時期に多くのミュージシャンやアーティストを迎えている野外のミュージック・フェスティバルがあります。岐阜県郡上市明宝で行われるイベントの特徴は、夏の夜、飲み物と音楽を楽しみながら、人々と遅くまで語り合えることです。『第16回めいほう高原音楽祭』には、私とジャズラブオーケストラをはじめ7グループが出演。野外ステージ、しかも1万2千人もの大観衆を前に歌うという経験に心躍りました。音楽そのものの感動はもちろんのこと、山々に囲まれたおいしい空気を吸い込んで、自然と気分も高揚し、まるで大空を舞う鳥になったような最高の気分で歌うことができました。演奏後のバーベキューの実においしかったこと!忘れられません。
もう1つ、毎年行われているイベントが京都府舞鶴市にあります。この街の近代化遺産である、赤煉瓦みなと地区で開かれる盛大なジャズ・フェスティバル『赤煉瓦サマージャズin舞鶴』。1991年に始まったこの催しには、歴史ある建物を大切に保存し、人々をひきつける狙いがあります。2日間に渡り、伝統ある赤煉瓦倉庫街に特設ステージが組まれると、ジャズにお似合いの空間が広がり、国内外から一流のミュージシャンたちが集まります。その夜の私のステージでは、ピアノの大石学、ベースの納浩一、サックスの藤陵雅裕、ギターの小畑和彦、そしてブラジルからはドラムのパウロ・ヴァルガスを迎えました。夜空の下、ジャズの調べと赤煉瓦の懐かしい景観は、巧みに調和していました。
そしていよいよ、待望の東京JAZZ2005が、8月20日東京ビッグサイトで幕を開けました。4年目を迎える東京JAZZのコンセプトは、「新しい文化の発信」「ジャズの継承と発展」「文化のクロスオーバー」です。国内外のビッグ・アーティストが一堂に会し、世代や国境をこえて夢の競演をします。
何ヶ月にも及ぶ準備をし、そのステージに立った気分は最高の一言。まるで宙にふわりと浮き上がるかのようで、天にも昇るとはまぎれもなくこのことです。音楽、会場の雰囲気がすべて神秘的に感じました。一瞬ごとを存分に楽しみ、これまでで最も楽しかったステージの1つになりました。
今日のメンバーは、ピアノの大石学、ベースの井上陽介、トランペットの原朋直、サックスの藤陵雅裕、ドラムのセシル・モンロー。そしてブラジル人のパーカッショニスト、ピルリートをゲストに迎えました。彼らの情熱とエネルギーが音に託されて、会場を包みます。スタンダードやオリジナル曲、そしてイヴァン・リンスの作品を、一部新たなアレンジで演奏しました。私にとってこの日最大のハイライトがイヴァンとのデュエットです。まさしく夢のようでした。イヴァンの本当に優しくて飾らない人柄のおかげで、リラックスして歌うことができました。
コンサートのフィナーレでは、別々のバンドから選び抜かれたミュージシャンたちが集まり、スーパーユニット・セッションがありました。ハービー・ハンコックが中心となって作り出す魅力的な音の世界は、全員のアドリブの応酬でさまざまな方向へ広がります。この自由なアプローチは、全く新しい可能性の扉を開きました。音楽に限界はありません。
2日間にわたる白熱した演奏。楽しかったたくさんの場面。すべての出演者の間に芽生えた素晴らしい友情。忘れられない思い出になりました。
8月下旬には、榛名湖で行われた『Twilight Jazz Live・森と湖の音楽祭』にも出演しました。榛名町は群馬県中西部に位置し、農地と森林に恵まれ、観光地としても栄えています。町の北部には、榛名山、榛名湖、榛名神社などの見所が充実しています。南部には、榛名梅林、フルーツラインなどがあり、山や湖を望む美しい景色を堪能することができます。共演は、サックスの藤陵雅裕、ピアノの福田重男、ベースの高瀬裕、ドラムの吉岡大輔でした。
9月に入り、「ヤマチャン」の愛称で親しまれている山本剛のグループと静岡へ。彼と演奏すると、ジャズを歌い始めた頃の懐かしさが蘇ります。当時よく共演したピアニストの1人で、彼からは多くを学びました。彼は類まれな才能の持ち主。ユニークで貴重な音色を聴かせてくれます。初日のライブでは、清水市にある富士乃という小さなお店に熱狂的な音楽ファンが集まりました。2日目は熱海後楽園ホテルの最上階、トップ・オブ・アタミです。会場からの夜景はまるで宝石箱!「東洋のナポリ」と呼ばれるのもうなずけます。ジャズと極上の夜景は見事にとけあっていました。
夏の終わりが近づいた頃、慌しさから一息ついた私は、フィリピンのセブとボホールへの休暇に出発しました。ダイビングで島の青い海を満喫したかったのですが、残念ながら台風が接近。波が高く、海の透明度も下がってしまったので、川で泳ぐことにしました。
1番の思い出は、ターシャ(世界最小のメガネザル)に会ったことです。ターシャは、愛・地球博のフィリピン館のマスコットだった時に初めて見ましたが、ボホール島では本物が見られるのです。この信じられないほど美しい生物、地球で最古の哺乳動物は、子供の手のひらよりも小さく、顔の3分の1はあるかと思われるまん丸い目と、体よりも長いしっぽが特徴的です。今までに見たことのないものでした。抱きしめて撫でてやればきっと、思わず子供のような声を上げてしまうでしょう。(しかし、触れることは禁止されています。)彼らはコレーリャの保護区域の中で、小さな木の枝につかまって動かないまま、瞬きすらしません。4500万年もの長い間静かに生き続け、手つかずの森の中で、ただ平和に暮らしたいと思っているだけなのです。私たち人間はそのことを理解してあげられるのでしょうか?
これでまた1つ、目を見張る出会いを経験し、人間は自然とどのように調和して生きるべきなのか、強く考えさせられました。心から思います。What a Wonderful World〜(なんて素晴らしい世界)♪
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| チャリート |
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